世界史劇場 駆け抜けるナポレオン
によって 神野 正史
4.8 5つ星のうち(3人の読者)
世界史劇場 駆け抜けるナポレオン epubダウンロード無料 - 内容紹介 まるで劇を観ているような感覚で楽しめる世界史教養書の第8弾!今回は前作『フランス革命の激流』の続編です。16世紀後半から17世紀前半のヨーロッパの歴史をナポレオンの人生を通して描きます。フランス革命後、ナポレオンはいかにして頭角を現し、ヨーロッパを席巻するに至ったのか?またいかにして失脚したのか? ナポレオン戦争や第一帝政を当時のヨーロッパの国際情勢を踏まえながら解説します。ナポレオンの激動の人生、そしてヨーロッパの激動の歴史を体感できる一冊です! 内容(「BOOK」データベースより) フランス革命末期から百日天下までのヨーロッパの歴史をナポレオンの人生を通して詳しく解説。まるで映画や舞台を観るような感覚でスイスイ読めてわかりやすい!歴史が“見える”イラストが満載!歴史を学びなおしたい大人から、歴史が苦手な高校生まで楽しめる。 著者について 河合塾世界史講師。世界史ドットコム主宰。ネットゼミ世界史編集顧問。ブロードバンド予備校世界史講師。歴史エヴァンジェリスト。 1965年、名古屋生まれ。 出産時、超難産だったため、分娩麻痺を発症、生まれつき右腕が動かない。 剛柔流空手初段、日本拳法弐段。 立命館大学文学部史学科卒。 教壇では、いつも「スキンヘッド」「サングラス」「口髭」「黒スーツ」「金ネクタイ」という出で立ちに、「神野オリジナル扇子」を振るいながらの講義、というスタイル。 既存のどんな学習法よりも「たのしくて」「最小の努力で」「絶大な効果」のある学習法の開発を永年に渡って研究し、開発された『神野式世界史教授法』は、毎年、受講生から「歴史が“見える”という感覚が開眼する!」と、絶賛と感動を巻き起こす。 「歴史エヴァンジェリスト」として、TV出演、講演、雑誌取材、ゲーム監修など、多彩にこなす。著書に『世界史劇場 イスラーム世界の起源』『世界史劇場 日清・日露戦争はこうして起こった』(ベレ出版)、『神野の世界史劇場』(旺文社)、『世界史に強くなる古典文学のまんが講義(全3巻)』(山川出版)など多数。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 神野/正史 河合塾世界史講師。世界史ドットコム主宰。学びエイド鉄人講師。ネットゼミ世界史編集顧問。ブロードバンド予備校世界史講師。歴史エヴァンジェリスト。1965年、名古屋生まれ。出産時、超難産だったため、分娩麻痺を発症、生まれつき右腕が動かない。剛柔流空手初段、日本拳法弐段。立命館大学文学部史学科卒。TV出演、講演、雑誌取材、ゲーム監修など、多彩にこなす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
世界史劇場 駆け抜けるナポレオンの詳細
本のタイトル : 世界史劇場 駆け抜けるナポレオン
作者 : 神野 正史
ISBN-10 : 4860644549
発売日 : 2015/11/2
カテゴリ : 本
ファイル名 : 世界史劇場-駆け抜けるナポレオン.pdf
ファイルサイズ : 18.33 (現在のサーバー速度は20.41 Mbpsです
以下は 世界史劇場 駆け抜けるナポレオン の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
話の流れはシリーズの「フランス革命」のロベスピエール処刑直後からの解説です。独裁者・ロベスピエールが処刑されたことで恐怖政治は終を告げたものの、残ったのは事態を収集させるどころか悪化させるばかりの面々。革命派が弱体化したところで「王党派」が力を盛り返してくる。王党派に盛り返されたら革命の意義さえもなくなってしまう。軍隊を率いる力を持つ者が必要とされており、そこでかつて軍歴があり優秀でありながらも、ロベスピエール派と見なされて冷や飯暮らしだった軍事の天才・ナポレオンが必要とされたことが彼が歴史の表舞台へと出る背景になります。反乱軍を鎮圧し、返す刀でオーストリア軍を撃破。彼の戦略と戦法は敵の大軍をバラけさせての各個撃破と、大砲を重視でした。また要所要所での演説で配下の兵士を鼓舞し、自ら陣頭に立つ勇敢な姿勢を見せることでカリスマ性を示した。エジプト遠征ではイギリス軍と海上では不利な戦いを強いられたものの、陸戦では正に敵なしの常勝。戦争に勝つたびにフランスに富をもたらし庶民の人気は急速に高まっていきました。このまま将軍で終わっていれば後の没落もなかったかもしれませんが、コルシカ生まれの彼は青年時まで貧困に苦しみ「富と権力」に対する執着心は例に漏れず強かった!その頃の欧州はイギリスもロシアもオーストリアもプロシアも全部「反フランス」で一致。どこの国も革命が自分の国まで広がるのを恐れていたのです。各国は何度となくお互いに同盟を組んでフランスに牙を向いてきます。最早、国内で争いをしている場合ではなく、国内の反乱を抑える強力な政権の誕生が待ち望まれた結果、コルシカ生まれの平民のナポレオンがフランス初代皇帝の座に就くことになりました。しかし、この皇帝就任こそがナポレオンのピーク。ここからは坂道を転がり落ちるかのように転落していきます。そもそも彼は「開放者」として戦ってきたと多くの人間が思っていたのに、本人は権力欲丸出しで独裁者になってしまう。つまりここを境としてその後の戦いは全て「ナポレオン帝国を守るための戦い」になってしまう。そのための戦いで数十万人の人間が命を落とすことになってしまう。何度ナポレオンに破られても、各国はその度ごとに同盟を組み直してくる。ナポレオンは戦争に勝ち続けることでしか王朝を維持出来なかった。外交では大陸封鎖令を出して英国を干上がらせようとするも密貿易の前に失敗。後継者欲しさに糟糠の妻であるジョセフィーヌを離縁して、オーストリアの公女と再婚するが、王子は生まれたものの21歳の若さでナポレオンの死後に後を追うように病死してしまい直系の血筋は呆気なく絶えてしまう。権力者となったナポレオンは贅沢に耽り、自分に都合のいいことしか言わない奸臣ばかりを側に置く。身体は中年太りし、かつての軍才にも陰りが見え始める。侵略者となったナポレオンはポルトガル・スペインも制圧するが住民が反乱を起こす。あくまでナポレオンに逆らい続けるロシアを撃つために遠征軍を派遣するが、敵地に行くまでに猛暑で三十万人の兵士が倒れ、その上ロシアは焦土作戦で物資を全て焼き払って退却した。ナポレオンは兵站を現地調達していたので飢えに苦しむことになる。首都・モスクワに入城したものの得られるものはないまま無為に時間を費やした挙句、本格的な冬の到来を迎え、遂に退却を決断するが遅すぎた。敵の追撃を受け全滅の危機に陥る。命からがらフランス本国へ帰還した兵士は1万人ほど。大敗北であった。斜陽のナポレオンにまたも各国が連携して牙をむく。初戦こそ勝ったナポレオンだが、兵士が疲弊して弱卒ばかりになっており遂に大敗を喫する。最早、立て直しは不可能。皇帝の座を追われることになるのだった。孫子では「勝ちすぎることは最上ではない。戦わずして勝つことこそが最上である」としている。ナポレオンには孫子的な「戦いを避ける」という発想がなく、勝つことでしか自らの存在価値を証明できなかった。実は日本にもナポレオンとよく似た「豊臣秀吉」という人物がいる。下賤の身から一代で最高権力者に上り詰めた共通点を持つが、「自身の権力維持」のために戦いを繰り広げ、結局のところは自滅してしまった。後継者に恵まれず、若い娘に手を出して後継者を授かり、その子に全てを継承させようと躍起になった点も同じ。結局のところ、どちらも王朝を滅ぼしてしまった。秀吉は自分の死の前に王朝の崩壊を目にせずに済んだが、ナポレオンは絶海の孤島に島流しにされ失意の日々のうちに病死した。誠に「権力者が自ら権力を手放すことの難しさ」をこの本は教えてくれる。即ち「独裁者は死ぬまで独裁者」なのであると。
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