赤いダイヤ(上) (ウィザードノベルズ (1))
によって 梶山 季之
4.2 5つ星のうち(3人の読者)
赤いダイヤ(上) (ウィザードノベルズ (1))本無料ダウンロード - 内容紹介 商売に失敗し、自殺を図った木塚慶太を救ってくれたのは稀代の相場師“森玄”だった。木塚はいつしか、森の魅力と彼が命を張る赤い魔物と恐れられていた小豆相場の虜になる。相場エンターテインメント小説の金字塔! 著者について 梶山季之(かじやま・としゆき)1930年、韓国ソウル(旧・京城)生まれ。1945年末に引き揚げ、広島高等師範学校(現・広島大学)国文科卒業。在学中また1953年上京後も同人誌活動を行う。ルポライターとして『文藝春秋』や創刊時の『週刊明星』『週刊文春』で活躍、“トップ屋”の異名をとる。1962年に『黒の試走車』で作家デビューし、同時期の新聞連載『赤いダイヤ』も好評で、たちまち流行作家となる。“朝鮮もの”でスタートした修業時代は純文学を目指したが、作家活動は推理・政治・経済・人物・社会風俗・ポルノなどと、編集者の“注文”に応じ、また“読者サービス”に徹し、さまざまな分野の作品を発表した。1975年5月、取材先の香港で客死。享年45。2005年5月に没後30年を迎えるいま、その膨大な作品群を再評価する動きが出ている。
赤いダイヤ(上) (ウィザードノベルズ (1))の詳細
本のタイトル : 赤いダイヤ(上) (ウィザードノベルズ (1))
作者 : 梶山 季之
ISBN-10 : 4775920014
発売日 : 2004/12/18
カテゴリ : 本
ファイル名 : 赤いダイヤ-上-ウィザードノベルズ-1.pdf
ファイルサイズ : 29.38 (現在のサーバー速度は25.64 Mbpsです
以下は 赤いダイヤ(上) (ウィザードノベルズ (1)) の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
おもしろい。主人公のひとり「大物相場師」森玄の広島弁がいい。・・よかろう。なんや知らんが、飛行場でいなげな(変な)奴に会うたけん、気分がはずまんようになったわいや。・・「いなげな」は漢字で書くと「異なげな」ということだろうか。なかなか味のある方言である。『赤いダイヤ』はスポーツ紙「スポーツニッポン」に連載された。著者は梶山季之。ソウル生まれ広島育ち。広島弁がうまいわけだ。文章表現がいかにも昭和的である。例えば、「ふるいつきたいほどの美人」って言い方、いまの小説には(恥ずかしくて)出てこない表現だろう。話の展開がゆっくりすぎて最初慣れるまでまどろっこしい。わざと冗長に書いている。著者が銀座で遊ぶ金を稼ぐために原稿の量を増やしたかったのかと勘ぐった。アズキは大和ことば。登呂遺跡(弥生時代、紀元1世紀頃)からも出土して、古代から各地で栽培されていたらしい。日本では近年雑穀粥としてより餡や羊羹のような甘く煮詰めた食品に多用され従って一定の需要がある。この物語の舞台は昭和28年から30年にかけての蠣殻町。東京穀物取引所におけるアズキ相場での買い方・売り方の戦いを中核に人間の欲望(金と女)と男と女のだましあいをおもしろおかしく描いたエンタメ小説である。いまではアズキ相場はめだたない市場になってしまって、FXだの仮想通貨だのに負けてしまっているが、当時は相当に刺激的な相場だったようだ。その理由はこの本によると、(1)生産量が少なく、市場が小さい。(2)天候に左右される。(3)コメのような標準価格がない。(4)正確な生産や在庫に関する情報がない。故に投機の対象になりやすく、人間のドロドロした欲に直結しやすい。『百戦百勝』(城山三郎)の主人公山崎種二が悪役で登場するのも面白い。多くの著名人がモデルとして登場する。梶山は『週刊文春』創刊の時、社外スタッフとして草創期の誌面で活躍したから、いろんな裏情報を持っていたに違いない。それをうまく生かしている。スポニチ連載だからもっとお色気描写もあるかと期待したがほとんどない。残念である。
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